この記事は2020年12月3日に書かれました。
以前に比べて、日本橋付近では居酒屋ののれんをくぐるサラリーマンが増えてきたように感じます。少し中をのぞくと、結構な人が18時からビールを仰いでいました。
私もそろそろ、何も気にせずにお店でお酒が飲みたい今日この頃です。
さて今回は、楽しい飲み会のお誘いに冷や水を浴びせるような、新人くんの一言から始まった、とある会社のドタバタ劇をみていきましょう。
とある12月。
会社も年末ムードに包まれ、ほとんどの社員は仕事ではなく自分のデスク周りやコピー機を楽しげに拭いています。
上司さん「お、頑張って掃除してるね〜」
新人くん「上司さん、お疲れ様です!なんだか年末の大掃除って気持ちいですね。今まで何気なく使っていたコピー機も、掃除をしてみると愛着が出てきました。これからはもっともっとコピー機を使い倒して、良い企画書を見てもらえるように頑張ります!」
上司さん「それは関心だなあ。その気持ちを忘れずに、来年も頑張ってくれよ!」
新人くん「はい!上司さんにも、今年1年お世話になりました!」
上司さん「そういえば新人くんは今年の4月に入社だよね?もう会社には慣れたかな?」
新人くん「はい、おかげさまで楽しく頑張らせて頂いてます。入社前は不安でしたが、皆さん優しくて安心しました。それに、この会社のワークライフバランスに対する姿勢は素晴らしいと思うんです。僕は仕事とプライベートをきっちり分けたいので」
上司さん「そうだな、うちの会社はその辺キッパリしている人が多いから、最近の若い子には合うのかもな。おじさんはちょっぴり寂しく感じる時もあるけどね。ところで、水曜日の忘年会は来るよね?」
新人くん「実はその日、彼女とデートがありまして…」
上司さん「え、来れないの?忘年会は毎年やっている大事な行事だし、何より社長も参加するからその年に入社した新人は一発芸があるんだよ。だから来てもらわないと困るなあ。何とかならない?」
新人くん「そう言われましても、もう10月から予定が入っていましたし。ちなみに、
その飲み会、給料出ますか?」
上司さん「は?出るわけないだろ、飲み会なんだから」
新人くん「でも、参加はほぼ強制なんですよね?しかも一発芸するってことは業務の一部ですし、これって仕事じゃないんですか?それに開始は終業後ですよね?ってことは残業代も出なきゃおかしいですよね?」
上司さん「いやいやいやいや。ちょっと待ってよ。そんなこと言い出したの、新人くんが初めてだよ。忘年会での自己紹介は先輩全員もやってきたことだし、とにかく飲み会は飲み会だから、ましてや残業代なんて出るわけないじゃないか」
新人くん「でもそれはおかしいです!そんな飲み会は労働時間です!給料が出ないなら参加しません!」
上司さん「上司に向かって何だその言い方は!しかも会社のやり方に背くなんて、評価が下がっても知らないぞ!」
さて、この場合どちらが正しいでしょうか?
A:新人くんの言う通り、忘年会は労働時間である
B:上司さんの言う通り、忘年会は労働時間ではない
正解は…
A:新人くんの言う通り、忘年会は労働時間である
理由① 出席を断れない(暗黙の了解を含む)
理由② 参加者に対して一発芸と言う責務を課している
理由③ 不参加の場合、人事評価に影響を与える(ような発言をしている)
今回の場合、社長も参加するからと圧力をかけられている(①)、新人は必ず自己紹介をしなければならない(②)、人事評価に関する発言があった(③)となります。
楽しい飲み会が労働時間になってしまっては、会社としては何とも悲しいですよね。
社員と良好な関係を築いていけるよう、飲み会開催の際は以下のポイントに注意しましょう。
ポイント① 参加は完全自由にする(暗黙の了解や無言のプレッシャーはNG)
ポイント② 飲み会の席では責務を設けない(特に準備に時間がかかるものはNG)
ポイント③ 例え不参加でも人事評価に影響を与えるような発言・制度はなくす
これらを守って、楽しく健全な飲み会にしましょう!